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"秋祭りの合図花火の思い出"
- 2018/10/20(Sat) -
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~秋祭りの合図花火の思い出~
 
 県南は秋祭りの最盛期である。開催を知らせる合図花火の
賑わしい音があちらこちらから届く。青い空に寸時に浮かぶ儚
げな白煙とは裏腹に、これから勇ましい祭りが始まる期待感に
心はひとりでに躍り始める。

 8年前、たまたま通りかかった山あいの神社で合図花火が鳴
り、車を止めた。秋祭りが行われており、境内で年配のご婦人
に「これ、何か知っとるで?」と声を掛けられた。それは半球状
のてっぺんに導火線の付いた黒こげの物体で、合図花火の燃
えかすだと言う。その玉皮を家の前に吊しておくと魔除けになる
との言い伝えがあるようで、それを知る人も今では少なくなって
しまったと嘆いておられたのを今でも覚えている。

 10月6日付の朝刊に「70歳まで雇用へ法改正」の記事が掲
載されていた。身も心も元気でないと70歳までは働けない。黒
こげの玉皮を軒先に吊し、安心していてはいけない。いつまでも
若々しく元気でいるためには趣味を通して体を鍛え、考え続ける
ことが大切である。

 合図花火の音を耳にするたび、人の営みの中からきらりと光る
小さな玉を拾い出し、書き残すことが私のもう一つの仕事、と感じ
た8年前を鮮明に思い出すのである。(了)

                            鉄線

(※2018/10/20 徳島新聞「読者の手紙」に掲載済) 


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"「50歳婚」テーマの取材受け"
- 2018/09/08(Sat) -
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~「50歳婚」テーマの取材受け~
 
 先々月、学生時代の友人から取材の依頼があった。彼女は出版
社勤務後、料理、健康、暮らし全般の書籍を出版プロデュース、編
集する会社を起業している。30年以上も前に京都の大学に進学し
た際、初めてできた友人が兵庫県出身の彼女だった。同じ下宿の
隣同士で学部は違ったが、幼なじみのような感があり、馬が合い、
銭湯にもよく出かけた。

 私は50歳を過ぎて結婚した。友人は50歳を過ぎての私の結婚
にいたく感動したらしく、「50歳婚」をテーマにした連載を始めること
になった。そのきっかけとなったから是非、取材をさせてほしい、と
いう依頼だった。

  私は月並みな会社員で取材しても面白みに欠けるのでは、とや
んわり断ったが、私たちと同世代の人に勇気を与えられるような記
事になれば、という友人の熱のこもった言葉に背中を押され、取材
を受けた。

 先月、その内容がオンラインメディアに掲載された。50歳婚が好
運を呼ぶかどうかはわからないが、長年、自分の物差しを使い続け、
心のままに生きてきたおかげで、ずっと話したかった友人と長話する
機会に恵まれた。好運なひとときを持てた気がしている。(了)

                            鉄線

(※2018/09/08 徳島新聞「読者の手紙」に掲載済) 


 


  
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"高齢者は早めの猛暑対策を"
- 2018/08/01(Wed) -
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~高齢者は早めの猛暑対策を~
 
 西日本豪雨の後、西日本や東海を中心に気温が35度を超える
猛暑日が続いている。日本の夏は年々暑くなり、この頃は終日、
サウナの中にいるようである。 加齢に伴い、0.5℃の幅で温度差
を区別できていたものが、5℃の幅にならないと区別できなくなる
らしい。

 高齢者が猛暑日にエアコンを付けず、熱中症で亡くなるケース
が後を絶たない。若い頃と比べ温度調節の反応が遅れてしまう
ことなどに気づいていない。加齢を含め、温度感覚や体温調整
機能が鈍感になっていることを受け入れ、早め早めの行動が大
切である。

 電気製品の操作が億劫な高齢者もおられる。何でもリモコン
操作になり、テーブルの上にはリモコンが常に5つ、6つある。
少し前まではできていたことができなくなるのが年を重ねるとい
うことであり、自然の法則である。とは言うものの、生命に関わ
ことであり、頑張って操作しなければならない。

 高齢化社会の施策は遅れていると感じている。高齢者に優
しい世の中を待っていてもいつになることやらである。これから
は幾つになっても柔軟で強かな精神が求められる。(了)

                        鉄線

 (※2018/08/01 徳島新聞「読者の手紙」に掲載済)  


 

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"もろきゅうに夏の記憶再び"
- 2018/07/08(Sun) -
20180704061もろみ

~もろきゅうに夏の記憶再び~
 
 知り合いから擂り粉木ほどのキュウリをいただいた。子どもの
頃から食べていたキュウリといえば、このおばけキュウリである。
夏休みには母に度々畑までキュウリやナスを採りに行かされた。
あの頃の夏野菜はどれも色濃く、香り豊かだった。真っ赤に熟れ
た固いトマトを、もう一度がぶりと頬張ってみたいと真夏日には
よく思う。

 畑からちぎってきたキュウリはゆず酢で和えるか、もろみに付
けてシンプルにいただく。市販のもろみは甘ったるかったり、余
計な味が添加されていたりするため、母はもろみ麹(こうじ)を買
い、長年家で作っていた。

 今春、高知県馬路村に出かけた際、もろみ麹が売られているの
を見かけ、母の味が懐かしくなり買って帰った。冷えたおばけキュ
ウリをこのもろみに付けて食べる。歯応えがあり、キュウリの強い
香りともろみが絡み合い、子どもの頃の楽しかった夏の日が蘇る。

 春に拵えたもろみも底を突きかけたため、もろみ麹を取り寄せた。
作り方は簡単。もろみ麹に甘酒と醤油を入れ、「おいしくなれ」と呪
文を唱え、しばらく待つだけである。夏の記憶とともに食べるおばけ
キュウリのもろきゅうは私にはとびきりの一品である。(了)

                         鉄線

 (※2018/07/08 徳島新聞「読者の手紙」に掲載済)   



       
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"人生分岐点 甥の決断応援"
- 2018/06/07(Thu) -

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~人生分岐点 甥の決断応援~
 
 ついこの間、漢字ドリルや計算ドリルを嫌々やっていた甥っ子
も高校2年生である。元プロサッカー選手を父に持ち、自らも物
心ついた時からサッカーを始めた。5月は彼の誕生月である。
日常の多事に紛れ込み、思い出した時には6月目前で、慌てて
心ばかりの祝いを送ると、早速メールが届いた。

そこには勉強を本気で頑張りたいから、先日サッカー部を辞め
た旨が書かれていた。サッカー以外にやりたいことができたの
だろう。あれこれ聞きたい気持ちを抑え、徳島から応援している、
と返した。

  生きることは変わってゆくことと感じている。変化は自然であり、
執着は無益である。以前と考えが変わったからといって罪悪感に
苛まれてはいけない。うまくいかない時もあるだろう。私などうまく
いかないことだらけである。後々それを人の所為にしないため、
人生の分岐点では自分で決断し歩んでほしい。

  私はあの瞬間に戻ってやり直したいとは思わない。これからを
うまく生き抜くことで精一杯だから。甥っ子の誕生日に祝いを贈り、
反対に彼からエナジーをもらった気がしている。(了)

                         鉄線

(※2018/06/07徳島新聞「読者の手紙」に掲載済)



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