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"もろきゅうに夏の記憶再び"
- 2018/07/08(Sun) -
20180704061もろみ

~もろきゅうに夏の記憶再び~
 
 知り合いから擂り粉木ほどのキュウリをいただいた。子どもの
頃から食べていたキュウリといえば、このおばけキュウリである。
夏休みには母に度々畑までキュウリやナスを採りに行かされた。
あの頃の夏野菜はどれも色濃く、香り豊かだった。真っ赤に熟れ
た固いトマトを、もう一度がぶりと頬張ってみたいと真夏日には
よく思う。

 畑からちぎってきたキュウリはゆず酢で和えるか、もろみに付
けてシンプルにいただく。市販のもろみは甘ったるかったり、余
計な味が添加されていたりするため、母はもろみ麹(こうじ)を買
い、長年家で作っていた。

 今春、高知県馬路村に出かけた際、もろみ麹が売られているの
を見かけ、母の味が懐かしくなり買って帰った。冷えたおばけキュ
ウリをこのもろみに付けて食べる。歯応えがあり、キュウリの強い
香りともろみが絡み合い、子どもの頃の楽しかった夏の日が蘇る。

 春に拵えたもろみも底を突きかけたため、もろみ麹を取り寄せた。
作り方は簡単。もろみ麹に甘酒と醤油を入れ、「おいしくなれ」と呪
文を唱え、しばらく待つだけである。夏の記憶とともに食べるおばけ
キュウリのもろきゅうは私にはとびきりの一品である。(了)

                         鉄線

 (※2018/07/08 徳島新聞「読者の手紙」に掲載済)   



       
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